10月24日は2×4ということでツーバイフォー住宅の日です。社団法人・日本ツーバイフォー建築協会が制定しました。24日は毎月あるのですが、なぜ10月なのかはよく分かりませんでした。
ツーバイフォーとは2インチ×4インチ(5cm×10cm)の角材を使用して家を建てる工法なのですが、最も特徴的なのは太い柱を使わず、壁で家の重みを支える方式を採ります。そのため本格工法(軸組工法)に比べて安価に速く家を建てることができる場合が多く、この工法が認可された1980年代後半以降、家を建てたいが予算が少ないという人たちに大きな人気を得ました。
ツーバイフォーのもうひとつの利点は、外国産の部品を多く使用しているためデザインが若い人の好みに合うものが多いこと、工法上、屋根裏部屋の設置が容易であることなどです。
(初期のツーバイフォー住宅は使用する接着剤がシックハウスの原因となったが、現在ではそのような問題を起こす接着剤は多くの工務店では使用しない)
デザインとスピードの問題を上げれば、ツーバイフォーより更に手軽なものとして、軽量鉄骨工法というものがあります。積水ハウス・ヘーベルハウス・パナホームなどが採っているもので、速く建てられるということは、家を建て替える時などに一時住まいの期間も短くて済むということで、嬉しい点です。
また本格工法で家を建てる場合は施工する工務店の技術力(とモラール)で出来が大きく左右されるのに対して、ツーバイフォーでは技術の差が出にくいので、あまりよく知らない工務店に頼んでも、ひどい目に遭う恐れが少ない利点があります。これが積水ハウスなどになると、問題の起きる余地は更に小さくなります。特に年収数百万円クラスの多くの庶民にとっては、こういう問題はかなり大きなものがあります。
ツーバイフォー住宅は新築状態ではかえって本格工法より耐震性などが強い面があるのですが、壁で家を支えるということは、その壁が長年の雨風で傷んでくると、急速に劣化してしまう弱点があります。そのためしばしば、一般の人の中には、ツーバイフォーは20年も持てば良い方、と考えている人も多いようです。そのため基本的にローンは10年以内で組め、と言う人もまた多くいます。なお鉄骨工法の場合は、鉄骨の錆に注意する必要があります。
しかしどちらも本当はちゃんとメンテしていれば大丈夫のはずで、大正年間にツーバイフォーで建てられた東京駅や、明治年間にやはり同様の工法で建てられた札幌時計台などが今でもしっかりしているのは良い例です。鉄骨工法のメーカーなどもメンテさえしていれば50年とか60年もつと言っているようです。
基本的には家は建てたらそのまま放置ではなく、毎年の点検、それに5年に1度程度の大規模メンテ(塗装の塗り直しや管系統・配電系統のチェック更新など)が必要で、その程度の予算は最初から頭に入れた上で家を建てないと、本当にローン終了前に家が崩壊してしまう場合もあります。