日本の時刻制度は江戸時代までは各地の地方時で行われていましたが、明治時代になって電信や鉄道などの新しい技術が導入されるにつれ、国内各地で別々の時刻を使用するのは非常に不便になってきました。ここで幾つかの動きが出て、電信局は全国で東京時刻を使用することにし、また気象台では全国で京都時刻を使用することになりました。
しかし明治17年(1884)ワシンシンで国際会議が開かれ、各国はできるだけ子午線の度数が15度の整数倍の所の地方時を使用することになります。そこで日本でも東経135度線、つまり明石時刻が使用されることになりました。この会議の結果を受けて明治19年(1886)7月13日勅令51号により明石時刻が日本標準時と定められ、明治21年1月1日から施行されました。これを記念して7月13日が日本標準時制定記念日とされています。
なおこの135度線は明石を通過しているということは当然淡路島も通過しているということで、昨日配信した日本の起源神話において書いたように日本で最初に生まれた島とされている所を通っている子午線の時刻が日本を代表する時刻になっているというのは、なんとも不思議な縁です。