メイクの日(5.9)

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5月9日はMayの9日ということで「メイク」の日です。Japan Make-up ArtistNetwork が定めました。この日同協会では全国各地で様々なイベントを行うようです。

「メイク」は英語のMake-upの略ですが、このupはup/downのupではなく、clean up (仕上げる), catch up (追いつく) などと同様の完成をあらわすupではないかと思われます(確かに時々Make-downと言いたくなるようなメイクをしている人もいますが.....)。一応、現代日本では「お化粧」の中でも肌のメンテの部分をスキンケア、その上層の仕上げの部分をメイクアップと言い分けています。

洗顔・化粧水・乳液・美容液あたりがスキンケア、ファンデーション、チーク、アイカラー、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、リップカラー、グロス、等々がメイクアップの部分です。

メイクには流行があり、今の時代から例えば1950〜1960年代のメイクを見てみても、かなり違和感がある訳ですが、これが時代を数百年飛ぶと、もう美意識そのものの違いを認識せざるを得なくなります。ここ10年くらいの意識としては、特殊な場(イベント等)に行く時以外は基本的にナチュラルメイク志向が強く、またアイメイクとリップメイクのバランスを取るのが美しいとされています。最近の10代後半の女性の中にはアイメイクだけを濃厚にしている、私の目などから見ると異様な感じのメイクをしている人が時々いるのですが、果たして一時期のヤマンバメイクのような一時的な流れで終わるのか、あるいは少し緩和された形で今後のメイクのひとつの支線に発展していくのかは、現時点では即断できないのかも知れない気もしています。

「メイクの日」を提唱したJMANはメイクアップアーティストの団体ですが、この「メイクアップアーティスト」というのは、ごく最近確立してきた職業です。元々はタレントなどのメイクを担当していた人や、デパート等の化粧品売場の店頭やヘアサロンなどでお客さんにメイクをしていた人達が、独立して活動できる場が与えられるようになってきて、中にはほんとうに「見違えるような」メイクを施せるような凄い腕の人たちも出てきています。テレビの番組などで、そういう人のコーナーを作っているものもあります。

そういうのを見ている中には必ずしも大したことない気がする人もあるのですが、そんな中で私が本当に凄いと思っているのはNHKの「おしゃれ工房」などに出演した藤原美智子さん。この人のテクは、基本に忠実で、少ない道具を使いTPOに合わせた、とても美しいメイクを短時間で仕上げてしまいます。この人は著書も多数出ていますし(買う時は写真の多い本がいいです。メイクは言葉だけではなかなか分かりにくい)、講演会なども人気のようです。

さてここしばらく日米欧などではお化粧は女性だけのものになっていたのですが、最近いわゆるメトロセクシュアル(この言葉自体はベッカムあたりから出てきたもよう)といって、男性の中にもマニキュアをしたり、ファンデーションを使用する人たちが出てきています。元々化粧が女性だけのものになったのは、歴史的にはここ150年くらいの事で、本来お化粧は男女ともしていたものです。

平安時代の貴族のお化粧はご存じの方も多いでしょうし、戦国時代の武将などは万一戦いに敗れて首を切られて晒された時に、みっともない顔では恥だといって、しっかりお化粧して戦いに臨んでいたそうです。こういう場合のお化粧には、勝利祈願や魔除けの意味合いもあります。実際、世界的に見てもお祭りの時に男女とも特殊なお化粧をする所は多いです。また占いをなさる方の中には、そういう感覚が分かる方もあるかも知れませんが、お化粧が一種の結界(霊鎧の代用)になって、精神的な集中を助けてくれる場合があります。

またお化粧には実用的な意味合いもあります。もともとアイメイクというのはエジプトなどの日差しの強い地域で、目を守るために生まれたものという説もあります。プロ野球の選手などがデイゲームの時に目の下に黒いラインを入れているのと同じです。現代のアイシャドウやアイライナーにもそういう目を守る効果はありますし、また紫外線対策で化粧水や乳液・ファンデーションにUV効果のあるものを使用しておけば、強い日差しから肌を守ることができます。人間の身体の中で顔と手だけが服によって守られていないので、この部分の防御をするのは意味のあることです。


(2005-05-08)

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