1923年5月26日、第1回目のル・マン24時間耐久レースが行われました。(5月23日説もあるようです。予選か??)
ルマン(le mans)はフランス北西部の町です。人口15万人。パリから南西へ約160kmほど行ったところにあり、ロアール川の支流サルト川沿いにあります。ここはサルト県の県都になっています。パリから来て、ここで高速を降りずにそのまま行くとアンジェ、ナント方面に行きます。
このレースは今では珍しくなった公道を使ったレースです。常設のサーキットと市内の公道をつないだ13.6kmのコースを、とにかく24時間走り続けて、いちばん長距離走ったチームの優勝という単純明快なレース。
このレースを創設したのはサルト周辺の自動車愛好家が集まって1906年1月に作った「サルト自動車クラブ(現ACO-西部自動車クラブ)」で、当初はフランス国内のチームがほとんどでしたが、その中で唯一外国勢として気を吐いたのがイギリスのベントレー。その後ロールスロイス、従って現在ではフォルクスワーゲン傘下に入ってしまったこのメーカーは第2回大会で唯一の外国勢として参加して優勝したほか1927〜1930年には四年連続優勝しています。
その後1931〜1934年はアルファロメオの時代(4年連続優勝)、1951〜1957年はジャガーの時代(7年間に5回優勝)、そしてフェラーリ、フォード、ポルシェ、などが時代を作ってきています。ポルシェは1981〜1987年の7年連続優勝をなしとげています。日本勢ではマツダが1991年に優勝しました。
このレースは公道を使用するため(当然期間中は一般の人の通行は禁止)、路面がデコボコの所もあり(普段は長距離のトラックが行き来している道である)、専用サーキットのようにきれいなカーブが切ってあるわけではないのでドライバーにかかる負担は相当なものです。それを24時間3人(初期の頃は2人)のドライバーが交替で運転していくわけで、ドライバーもスタッフも体力を使いますし、車のボディ・エンジンには過酷な耐久力が要求されます。
当然リタイアもどんどん起きます。昨年も参加チーム中の4割がエンジントラブル、コースアウトして大破、走行中の車輪外れ、などなどでリタイアしています。死亡事故は意外に少ないのですが、1955年には観客席に突っ込んで100名死亡などという事故が起きたこともあります。
見に行かれる方は確実に保険に入っておきましょう(^^;
※2001年のルマンの開催は6月16〜17日です。エントリーリストやアクセスについては公式ホームページを見て下さい。(日本語版あり) http://www.24h-le-mans.com/