憲法記念日(5.3)

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昭和22年(1947)5月3日、日本国憲法が発布されました。それを記念して昭和23年7月の「国民の祝日に関する法律」で、この日が祝日と定められました。

その後今年でもう50年にわたってこの憲法は全く改正を加えられることなく継続し、天皇象徴制・三権分立・民主主義・人権尊重・平和主義などをうたっています。

憲法に関してよく議論されるのが第九条の問題です。

 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

   (2) 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

これを作った時には国連の平和維持機能への期待が高く、軍隊を自国で持つ必要はないという考え方があった訳ですが、その期待は朝鮮戦争でもろくも崩れてしまいます。結果、当時の日本の法律に優先するGHQ指令で警察予備隊が創設され、それは保安隊→自衛隊と発展してきました。現在では自衛隊は実戦経験こそないものの軍備的には世界で5本の指に入る強力な軍隊であるとも言われています。(上は多分アメリカ・ロシア・イギリス。中国・インドとはやってみないと分からない所....やって欲しくないですが)

ここまで来たら憲法を改訂したほうがすっきりすると思うのですが、この憲法が愚かな政治家に愚かな考えを懐かせない抑止力になっていることも事実であり、これは当面このままで良いのかも知れません。

アメリカの政府高官が昔言ったとか言わなかったという話で、日本政府と軍事問題を話し合おうとすると二言目には「日本国憲法では」と言われて、うんざりする。しかしイギリス政府と話し合おうとすると、あいつらは今度は「マグナカルタでは」と言いだしやがる、と。

イギリスの憲法マグナカルタは1215年に定められたものでなんと800年近くたっていますが、イギリス人はこの「大憲章」を改訂しようとはせず解釈の変更で800年間やってきています。日本人とイギリス人というのは性格的に似たところがあるのかも知れません。

なお、日本国憲法の前文にはこうもあります。

  われらは平和を維持し専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと務めてゐる国際社会において名誉ある地位を占めたいと思ふ。

この文章が日本が国連を通して軍事力を行使することを認めていると一般には言われています。また第六十六条2項には

  内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。

という条項があります。文民でなければならないというのは、要するに現役の軍人は大臣になれないという意味であり、ここにも暗に軍隊の存在を認める文章が紛れ込んでいます。


(2001-05-02)

以下1997.05.02の記事

昭和22年(1947)5月3日。日本国憲法が発布されました。それを記念して昭和23年7月の「国民の祝日に関する法律」で、この日が祝日と定められました。

その後今年でもう50年にわたってこの憲法は全く改正を加えられることなく継続し、天皇象徴制・三権分立・民主主義・人権尊重・平和主義などをうたっています。その前文にはこうあります。

『われらは平和を維持し専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと務めてゐる国際社会において名誉ある地位を占めたいと思ふ』


1997.5.3の付記

昨日はイギリスで労働党が総選挙に圧勝したニュースが流れてきました。

これを受けて保守党内閣のメジャー首相はエリザベス女王に辞表を提出、女王は労働党のブレア党首に組閣を要請します。さて、この総選挙で負けた内閣は退陣するというのはイギリスの「慣習」であって、別に憲法(マグナカルタ)に定められたものではありません。

アメリカなどは文字主義の強い国ですので法律に定められていないことは実行しない、といった風潮などもあり、法律の解釈が絡んで凄まじい数の訴訟が起きる訴訟国家です。日本の憲法が50年も改正されていないのはおかしい、などと不改正に対する批判をする人もありますが少し論点が外れているような気もしますし、また、全てを法律で決めないといけないと考える考え方もアメリカの影響の受けすぎという気もします。

日本の軍備に関しては上記にあげた前文の記述と戦争放棄をうたった9条とがもともと矛盾しており、今軍備ができると明記した憲法に変えて愚かな政治家が愚かな戦争をやったりするようにしたら全く愚かな選択です。

明治維新以前に日本が侵略戦争をやったのは、4世紀の神功皇后の朝鮮出兵以降の朝鮮半島の倭国領経営時代・7世紀の天智天皇の白村江の戦い・16世紀の豊臣秀吉と3回しかありません。憲法を改正する場合は、その前に国会から愚かな政治家を駆逐してからやりたいものです。


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