↑ ゴムの日(5.6)
5月6日は語呂合わせで「ゴムの日」です。

ゴムは天然ゴムと合成ゴムに分けられます。天然ゴムはゴムの木の樹液から
作りますが、ゴムの木にはパラゴムと、インドゴムがあります。このうち、
工業的に利用されているのはパラゴムで、インドゴムの方は観賞用に栽培さ
れています。

パラゴムは中南米の原産で、現地ではカオチューク(涙を流す木)と呼ばれ
ていました。この木から取ったゴム樹脂は6世紀頃から現地の人たちに利用
されていましたが、その用途は主として遊戯用・儀礼用などだったようです。

15世紀にコロンブスがアメリカ大陸に渡った時、現地の子供達が、ゴム樹脂
を丸めたボールで遊んでいるのを見ました。彼はその弾力ある物質に驚き、
それをスペインに持ち帰り、ヨーロッパでも知られるようになりました。

しかし、ゴムは18世紀まではヨーロッパでも単に面白い物質という以外には
そんなに用途が見つかっていませんでした。18世紀の終わり頃になってよう
やく、鉛筆で書いた字を消すのにゴムが使えるということが発見され、また
1773年にはゴムを使用したレインコートが発明されて、300年の時を経て
ゴムは実用化の時代に入ります。

そして1839年、アメリカのチャールズ・グッドイヤーは偶然にもゴムの加硫
法を発見しました。

彼はゴムで作った靴を履いていましたが、ある日靴を履いたまま研究室で眠
ってしまいました。そして翌朝、彼は自分が履いていた靴の弾性が著しく上
がっていることに気づき、びっくりします。

何故だ?と思って調べてみたところ、彼が眠っている間に、研究室の薬品の
瓶を倒してしまい、その液体が靴に掛かって、更に冬であったためストーブ
を焚いていて、その熱でゴム靴が熱せられた為であるということが分かった
のです。こうして、ゴムはこの研究室の一夜を境に、珍しい物質から実用的
な物質に変身することになりました。

しかし、当時そのゴムの販売は中南米に植民地展開するスペインが一手に管
理していました。なんとかしたいライバルのイギリスは、1876年ウィッカム
がアマゾンから密かにゴムの木の種を持ち出すことに成功。それを本国で栽
培することにも成功して、光を見出します。

イギリスはこのゴムを、中南米と似た気候である東南アジアの自己の植民地
で育て始めます。こうしてゴム市場のスペインによる一国支配の時代は終了
しました。そして1887年にはこのゴムを自動車のタイヤとして使うことが考
案され、その後自動車の発展とともにゴムの生産もどんどん拡大していきま
す。やがて、東南アジアでの生産量は、中南米の生産量を大きく上回って、
ここが世界最大のゴム生産地となりました。現在でもタイ・マレーシア・イ
ンドネシアの3ヶ国だけで世界の天然ゴム生産の約半分を産出しています。

ところが、1930年代以降、この地域に新たな東太平洋地区の盟主の座を狙う
日本が進出してきて、やがてこの一帯を軍事占領してしまいます。当時ゴム
は既に工業用の素材として必要不可欠のものになっていましたので、これは
軍事的に日本と対立していたアメリカやイギリスにとっては非常にきついこ
とになりました。

そこで彼らが必死になって研究し、実用化にこぎつけたのが合成ゴムでした。

その技術は一応は1920年代までに確立していたのですが、工業的レベルには
達していませんでした。しかしアメリカ・イギリスの国家的バックアップに
より、合成ゴムは一気に生産が拡大することになります。

なお、天然ゴムの世界的生産地を押さえてしまった日本では、生産された大
量のゴムの使い道がなくて困り、この結果日本国内で、ゴム鞠が普及して、
女の子たちの間に鞠遊びが流行することになります。

戦後、天然ゴムと合成ゴムは互いに欠くべからざる素材として、利用されて
います。全体的な消費量では合成ゴムの方が天然ゴムを上回っていますが、
ゴム消費量の7〜8割を占める自動車のタイヤは現在両者を約半々に混ぜ合
わせて使っています。合成ゴムは比較的いろいろな特性を持たせ易いのです
が、どうしても天然ゴムに比べて弾力や耐久性で落ちる面があります。両者
を組み合わせることによって、非常に優秀なゴム製品が出来るのです。



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