1875年4月6日アメリカのArthur A. Libby と William J. Wilson がコンビーフ缶のあの台形状の缶の形に関する特許を取りました。
コンビーフとは corned beef なのですがこの corn というのはとうもろこしではなく、ここでは塩粒という意味で、元々粒塩をまぶして牛肉を長期保存用にしたものをいいます。昔は冷蔵庫などというものがありませんので、肉は一般に corned または brined (塩水を染みこませる) して保存していました。(現代のコンビーフはだいたいcornedせずにbrinedしたものが多いらしい)
1825年にKensettという人が缶詰の技術を開発するのですが、当時は今のように衛生的な設備の中で食材を詰めるわけではないので、保存期間はさほど長いものではありませんでした。
LibbyとWilsonが1875年に特許を取ったこのコンビーフ缶には次の2つの利点がありました。
(1)底が狭い所に広い方から肉を詰めることで、できるだけ隙間なく押し込むことが可能である。従って空気が入り込まないので保存性が良い。
(2)取り出す時は大きい方を開けることで容易に取り出せる。
このためコンビーフ缶はあの形状となり、その優秀さによって130年たった今でもその方式がずっと踏襲されているのです。