囲碁の日(1.5)

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1月5日は語呂合わせで囲碁の日です。日本棋院では2001年の場合打ち初めを兼ねたイベントが行われるようです。

 打ち初め式 10:30〜11:30懇親会   11:30〜約1時間

日本棋院の場所は千代田区五番町7-2,市ヶ谷駅下車徒歩2分です。駐車場はありません。

囲碁は古代中国で生まれ、東アジア文化圏で広まりました。近年では日本が中心になって世界に普及させています(そのため日本語の囲碁用語が英語でもそのまま通用します)が、現在では韓国・台湾などが非常に力を付けてきており、国際大会などでも日本は苦戦しているようです。

日本では平安時代には将棋・双六と並んで三盤と言われ貴族のたしなみのひとつになっていました。江戸時代には、徳川家康が将棋と囲碁を好んだことから、将棋・囲碁の家元が定められ、お城囲碁・お城将棋が開かれました。そして各家元は優秀な弟子を発掘して血筋と無関係に最も優秀な弟子に跡目を嗣がせる方式で、技術を磨いていました。

日本の囲碁の歴史の中で「棋聖」と呼ばれる人は二人だけです。本因坊道策(1645-1702)と本因坊秀策(1829-1862)。特に道策は「布石」と呼ばれる囲碁の序盤の打ち方を開発・定着させて囲碁を美しいゲームに進化させました。また秀策は若くして亡くなったものの、その打ち方の完成度は素晴らしく、微妙にルールが変化した現代でも、多くの人が彼の棋譜を並べて勉強しています。

(なお将棋と同じ「棋」という字を使いますが、この字は昔は「棊」と書いたようで「碁」と同じ意味のようです)

近年の日本の囲碁界で特に重要な役割を果たしたのは呉清源(1914-)で、彼は木谷実(1909-1975)とともに昭和8年地獄谷温泉で「新布石」といい「星」を使った簡易な地盤固めをする手(それだけ攻撃された時の対処は従来のものより難しい)を編みだし、打ち方に大きな変革を生みだしています。現在、彼の半生を描いた映画が製作中とのことで3年後くらいに公開されそうとのことです。

※囲碁から出た主な言葉

 素人・玄人(白人・黒人) 白石を持つ人と黒石を持つ人。現代では上位者が白石を持つが、昔は上位者が黒石を持った。そのため腕の確かな人を黒人と言う。

 八百長 明治のはじめ頃八百屋の長さんという人がいて、相撲の親方と碁をしていたが、いつもいい勝負だった。しかしある時、実は長さんはものすごい打ち手であったことがバレてしまう。そこで馴れ合いで勝負することを八百長という。

 一目置く 囲碁では実力差がある時、下位の者にハンディとして何個か石を置かせてからゲームを始める。つまり「一目置く」というのは自分がハンディキャップをもらうということで、相手が自分より上であることを認めることをいう。

 傍目八目(おかめはちもく)囲碁は打っている本人より、そばでみている人の方が冷静に八目くらい先が読めるという意味。

 アタリ社 コンピュータゲームの草分けの会社であるアメリカのアタリ社の「アタリ」は囲碁用語のアタリから来たもの。これはあと一手で相手の陣地を取れるという状態のことで、どんどんライバル会社の陣地を取っちゃえ、ということらしい。同社の子会社にはテンゲン社というのもあり、これも囲碁用語の天元から来たもの。

   なおアップル社は創業者が元々アタリにいて、アタリ社に事業資金の提供を頼んだが断られたためスピンアウトして自分たちで会社を始め、その時電話帳でアタリより前に来る名前を考えたのだという。


(2001-01-05)

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