毎月30日は「みその日」です。本来は月末(晦日−みそか)に掛けて月末が「みその日」になるべきなのでしょうが、それでは毎月変わってしまうので30日固定にしたものと思われます。全国味噌工業協同組合連合会が1982年に定めたものですが、2月がどうなるのかは知りません。
みそのルーツは古代中国の醤が日本に伝わり独自の発展を遂げたものという説を良くきくのですが、これは江戸時代の学者さんが唱えた説で、最近では実はこのタイプの調味料は各地でもともと独立に発達したのではないかという説も出てきているようです。基本的には味噌・醤油・魚醤あわせて「醤類」として分類するのがスッキリするようで、中国の豆板醤(トウバンジャン)や甜麺醤(テンメンジャン)、韓国のコチジャン、タイのナンプラー、ギリシャのガロン、ローマのガルム、などもこのジャンルに含まれます。分布の具合から見ると醤類の原点は魚醤のようにも思われます。
なお「みそ」という言葉が日本の文献に最初に表れるのは8世紀の大宝律令で「未醤」という記載があるのが最初で、10世紀の「日本三大実録」では「味噌」という字になっています。「未醤」がいかにも当字っぽいのも、独立発達説を後押ししています。
味噌は基本的には大豆を原料に作りますが、大豆のみで作るのが「豆味噌」、米麹を加えれば「米味噌」、麦麹を加えれば「麦味噌」になります。日本全体の伝統的な味噌の製法を見ると、米味噌の地区が最も広く分布しており、九州と四国の一部が麦味噌、京都から愛知に掛けて豆味噌の地区があります。
味噌に赤味噌と白味噌があるのですが、大雑把に言えば、大豆を蒸して発酵を進めれば赤味噌になり(高い温度で発酵させたり攪拌する)、大豆を煮て発酵を抑えれば白味噌になります(低い温度で発酵させ攪拌しない)。
味噌は毎日お味噌汁で食べるのが良いですが、食物繊維と植物性タンパク質を豊富に含むと共に、乳酸菌その他の働きもある健康食です。ワカメの味噌汁などはこれにミネラル分も加わり、理想的です。
(2005-10-30 01:08)