桃は中国原産で、古事記にも登場しますので、古くから日本でも栽培されて いたものと思われますが、本格的な栽培が始まったのは江戸時代頃からのよ うです。
明治期に中国から水蜜桃が輸入されますが、この品種には欠点がいろいろと あったようです。ところが、この水蜜桃の系統に属すると思われる桃で非常 に優秀なものが、偶然神奈川県の農家の偶然発生種の中から見付かり、これ が現在の日本の多くの栽培種のルーツになります。
有名な岡山の白桃は、この水蜜桃を明治30年代に岡山で改良したものです。
なお、桃の花は春ですが、実ができるのは7〜8月です。このため「桃の花」 は春の季語ですが、「桃の実」は秋の季語になっています。
また、桃には水蜜桃や白鳳・雄鳳・大久保・あかつきなどのように食べる桃 (実桃)と、源平桃・枝垂れ桃などの観賞用の桃(花桃)があります。