こよみの読み方(74)納音(1)



「納音」は「なっちん」と読みます。

十干と十二支は順に割り付けていくと最小公倍数の60で一回転して元に戻ります。この60個の干支の組み合わせを2個ずつまとめた30個に五行を割り当てたものを納音といいます。これにはそれぞれ美しい名前が付いています。

海中金(甲子・乙丑)
海の底に沈んでいる砂金のイメージ。潜在能力がありますが、そのままでは使えないということでもあります。「能ある鷹は爪を隠す」状態の場合もありますし、単に本性を隠しているだけという場合もあります。

炉中火(丙寅・丁卯)
炉の中で燃えている火のイメージ。エネルギーはあるが何かのコントロールのもとにある。才能がうまく現実社会で生かされているという見方もできるが、逆に言うと野生味を失って魅力をなくしている可能性もある。

大森木(戊辰・己巳)
大林木とも。おおいに樹木が茂っているさま。どんどん成長していて非常にいい状態。今がある意味で絶頂であり、陰りの予感も芽生えつつある。

路傍土(庚午・辛未)
道路の土のイメージ。みんなに踏み固められて硬くなっており、意志の強固さを表す。人に愛され、引き立てられる。しかし若干柔軟性に欠ける部分もある。

剣鋒金(壬申・癸酉)
剣(つるぎ)や鋒(ほこ)のイメージ。するどい切れ味でものごとを両断する。才能の切れや高貴さも表すが、場合によっては身勝手で偏見を持った乱暴さを表すこともある。

山頭火(甲戌・乙亥)
山の上で燃えている火、つまり火山のイメージ。めだった所で才能を開花させ、多くの人を注目させているさまである。ただ、あらゆるものを焼き尽くしてしまうかも知れない。なお「漂白の俳人」種田山頭火は生まれた日や年と「山頭火」は無関係。ただ青年時代に「いい感じの名前なので」使ったのだと本人が後言っている。
ただ晩年には彼は自分のこの名前を、立派すぎるとしてあまり好きではなくなったようである。山頭火の象意は表の象意は上記のように激しく噴火している様なのだが、実は裏の象意は燃え尽きてただ煙だけが残っている状態もある。彼の晩年はまさにこの裏の象意通りだったのかも知れない。

(2000.05.04)
(2021.12.31 フォーム改訂)