こよみの読み方(59)雑節



このあたりで少し雑節を押さえておきましょう。

節分(せつぶん) 立春・立夏・立秋・立冬の前日をいいます。これは昔の暦の季節の切れ目に相当し、特に立春の前日は立春を年の初めと考えた時の大晦日になるため、とりわけ重視されました。今日単に「節分」といえば立春の前の節分を差すのはそういう背景があります。

土用(どよう) 太陽の黄経が27度、117度、207度、297度になる日から、それぞれ立夏・立秋・立冬・立春までの間の期間をいいます。

これは陰陽五行説において、春を木、夏を火、秋を金、冬を水に割り当て、残る土をこの土用の期間に割り当てたものです。つまり「土行を用いる」期間という意味です。土用の期間は各々18日程度ですので、全部で73〜74日くらいになり、ちょうど1年が5等分されることになります。

一般に単に土用といえば、夏の土用をいいます。土用の丑の日にはウナギを食べるというのが近年の習慣になっています。

初午(はつうま) 新暦2月の最初の午の日です。伏見稲荷ほか、お稲荷さんの縁日になっています。

八十八夜(はちじゅうはちや) 立春から数えて88日目。だいたい新暦5月2〜3日頃。この頃で霜が降りるのが終わるとして、種まきの時期になっています。また唱歌にも歌われているように、茶摘みの時期になります。(実際は現代では八十八夜よりずいぶん早くから新茶を摘む)

入梅(にゅうばい) 太陽の黄経が80度になる日。新暦の6月11〜12日頃。このころ梅の実が実り、また、この頃からつゆの時期に入ることからこの名前があります。実際のつゆ入りの時期はそのころ気象庁が各地区ごとに発表します。

半夏生(はんげしょう) 太陽の黄経が100度になる日。だいたい夏至の11日後くらい、新暦7月1〜2日頃に来ます。つゆも後半に入り、雨の降らない日はもう夏の暑さが感じられる頃です。なお半夏とは「からすびしゃく」のことで、それが生える頃という意味です。

二百十日(にひゃくとおか) 立春から数えて210日目。新暦で9月1日頃。この頃、台風がよく来ます。

二百二十日(にひゃくはつか) 立春から数えて220日目。新暦で9月11日頃。
これも台風襲来の時期です。しばしば各地で二百十日・二百二十日に合わせて風鎮めの行事が行われます。

彼岸(ひがん) 春分と秋分の前後合わせて7日間をいいます。始まりを彼岸の入り、終わりを彼岸の明けといいます。「暑さ・寒さも彼岸まで」ということばの通り、秋の彼岸を過ぎれば涼しくなり、春の彼岸を過ぎれば暖かくなってきます。

社日(しゃにち) 春分・秋分に近い戊の日です。彼岸が鎌倉時代以降仏教中心の行事になってしまったため、神社系の行事を行う日として社日が成立しました。春は作物の成長を祈り、秋は豊かな収穫を祈ります。

大祓(おおはらい) 6月と12月の月末には神社でお祓いの行事が行われます。
世の中の諸々の穢れを全て洗い流してしまおうという行事です。半年に1度実行することになっています。(昔今の半分の暦が実施されていた時代の名残であろうといわれています)

人日(じんじつ) 1月7日。人の日。昔の中国で、1日が鶏の日、2日が狗の日、3日が猪の日、4日が羊の日、5日が牛の日、6日が馬の日とされ、1月7日でやっと人間の日になるとされたことから。現在この日は七草粥の日となっています。

上巳(じょうし) 3月3日。桃の節句。人形(ひとがた)に穢れを移して川に流す行事が行われていました。江戸時代頃からは雛祭りと合体して、女の子の節句とみなされるようになります。

端午(たんご) 本来は午月(5月)の午の日を言ったのですが、現在は5月5日に固定されています。この日は野で薬草摘みをしたり、菖蒲湯に入ったりしていたのですが、江戸時代頃からは菖蒲が尚武に通じるとして、武士の男子の節句、やがては一般に男の子の節句と考えられるようになりました。

七夕(しちせき) 一般には「たなばた」と呼ばれています。7月7日。
織女星を祭り、女の子が裁縫の上達などを祈ったのですが、江戸時代の寺子屋が習字などの上達を祈って、短冊に願い事を書く風習を広めました。

重陽(ちようよう) 9月9日。9は陰陽説で陽の極数なので、それが重なる日をめでたいとして祝うものです。菊の節句とも。西日本では「おくんち(御九日)」の名前でも行事が行われます。

(1999.10.15)