こよみの読み方(41) 大将軍



これはよく運勢暦に絵が載っています。この大将軍は前記太白の精なのですが、この大将軍や次回述べる金神の信仰が最も後世まで残りました。

太白は毎日移動する忙しい神ですが、その精の大将軍は3年も同じ所に居座り続け「3年塞がり」と言われます。この方角は次の通りです。

亥子丑の年 酉の方(W)
寅卯辰の年 子の方(N)
巳午未の年 卯の方(E)
申酉戌の年 午の方(S)

この「3年間塞がる」というのがどこかで誤解されて「この神の方角を犯すと3年以内に死ぬ」などという俗説まで出ました。

また後世、このように3年間も居座られては迷惑であるとして、この神が時々短い遊行をするという説も出てきます。これは次のようになっています。

甲子(00)〜戊辰(04)の5日間は卯方(E)
丙子(12)〜庚辰(16)の5日間は午方(S)
戊子(24)〜壬辰(28)の5日間は中宮
庚子(36)〜甲辰(40)の5日間は酉方(W)
壬子(48)〜丙辰(52)の5日間は子方(N)

つまり毎回子の日から辰の日までの5日間はどこかに出かけ、巳の日に本来の方角に戻る訳です。ところが更に後にもっと進んだ解釈も出てきます。

それは、この神を避けなければならないのは、その神がその年の本来の方角に遊行している期間のみである!というものです。その解釈によれば、例えば子の年は大将軍の本来の方角はWなので、Wへ遊行する庚子〜甲辰の間だけこの方位を避ければよい、ということです。実に無害な存在になる訳ですね。この説は15世紀の賀茂在方が書いた「暦林問答集」に出てきます。俗説かと思えば、陰陽道宗家・賀茂家の人が書いた本にそんな話が出てくる所がすごいです。

(1997/05/15)
(1999.08.10)
(2021.12.31 フォーム改訂)