こよみの読み方(10)十干



さて、前回は十二支をやりましたが、十二支が出てきたら十干(じっかん)もあります。この二つを合わせて干支(えと)といいます。この十干とは次のものをいいます。

訓読み              音読み
甲 きのえ  (木の兄)こう
乙 きのと  (木の弟)おつ
丙 ひのえ  (火の兄)へい
丁 ひのと  (火の弟)てい
戊 つちのえ(土の兄)ぼ
己 つちのと(土の弟)き
庚 かのえ  (金の兄)こう
辛 かのと  (金の弟)しん
壬 みずのえ(水の兄)じん
癸 みずのと(水の弟)き

学校の成績で古風な所は今でも「甲乙丙丁」といった評価を使っています。

この十干の訓読みは括弧の中に書いたような意味になっています。これは木火土金水という中国の五行(ごぎょう)の兄(え)と弟(と)という構成になっており、ここから「えと」という言葉が生まれました。

つまり本来は「えと」は十干のことですが、現代では十二支と十干、どうかすると、十二支の意味で使われています。

十干も十二支と同様に年に配置されます。今年は己卯(つちのとう)の年です。来年は庚辰(かのえたつ)の年になります。十干の年への配置も永久に同じパターンで繰り返されていきます。

十干は10年で一回りし十二支は12年で一回りしますから、10と12の最小公倍数の60年たつと十干十二支は全く同じ物が回ってきます。そこで61歳のことを暦が戻ってきたという意味で「還暦」といいます。

年の干支は、しばしば大きな事件が起きた時、その名に使用されています。
戊辰(ぼしん)戦争は明治元年(1868)の戊辰(つちのえたつ)の年に起きました。壬申(じんしん)の乱も672年壬申(みずのえさる)の年。明治以降は過大評価されて「大化の改新」などという大層な名前で呼ばれることの多い、乙巳の変も645年乙巳(きのとみ)の年です。

また事件ではありませんが、高校球児の憧れでもある阪神本拠地・甲子園は1924年甲子(きのえね)の年にできたので、この名前が付けられました。


(1997/02/22)
(1999.04.11)