こよみの読み方(5)暦の歴史-4



さて、アウグストゥスが暦を定めてから1500年。その間に少しずつ困ったことが起きていました。それはユリウス暦の1年の長さが不正確だったからです。カエサルの定めた方式では1年は365.25日になりますが、ほんとうは365.2422日です。この0.078日の差が1500年たつと積もり積もって約12日にもなっていました。

これを問題視したローマ法王グレゴリウス13世は、暦の運用規則を次のように改めることにしました。

・基本的に4で割り切れる年は閏年にする(ユリウス暦の規則)
・しかし100で割り切れる年は平年とする。(追加規則1)
・しかし400で割り切れる年は閏年とする。(追加規則2)

こうすると1年の長さは365.2425日になって精度がぐっと上昇します。そしてグレゴリウス13世は今までのずれを一気に解消するため、1582年10月4日の次の日を10月15日にして、暦の調整を行いました。

さて、このグレゴリウス暦は実際にはなかなか世界的に普及しませんでした。それは当時カトリックとプロテスタントが激しく対立していたからです。このため、ローマ法王庁に忠実なカトリック国はすぐにこの新しい暦を採用しましたが、プロテスタント国は反発して旧暦を使い続けました。各国がこの暦を採用した年は次の通りです。

1582イタリア,スペイン,ポーランド,ポルトガル,フランス
1583ドイツとオランダの旧教徒,オーストリア
1587ハンガリー
1700ドイツとオランダの新教徒,デンマーク,ノルウェー
1752イギリス
1753スウェーデン,フィンランド
1775ドイツ
1783アメリカ
1873日本
1875エジプト
1912中国,アルバニア
1918ソ連,トルコ
1919ルーマニア
1924ギリシャ

(1873年の日本の改暦では法律の条文はまるでユリウス暦の規則を採用したかのように見えるが実際はグレゴリウス暦で運用された。これは当時の条文起草者がグレゴリウス暦をちゃんと理解していなかったためと言われる。ギリシャが採用したのは実は独自の暦であるが、グレゴリウス暦と当面の間は一致する)

次回からは日本の暦の歩みについて述べます。

(1999.03.21)
(2021.12.28 追記)