←↑→ ごうのとらとは?
■質問 世間などでよく言われている、”ごうのとら”と言うのは、どうい
 ったことなのでしょうか?

 自分でも、国語辞典・漢和辞典・古語辞典・広辞苑・百科事典などを調べ
 ましたが、分かりませんでした。ちなみに私の母からは、私は”ごうのとら”
 の年に生まれた(昭和49年)と言われ、私の知人は昭和25年生まれでやはり、
 ”ごうのとら”であると聞きました。私の推測だと、甲寅と庚寅で、両方と
 も”ごうのとら”であるので、ごっちゃになっているのではないかと思われます。

 このなぞ解き、よろしくお願いいたします。

■回答
こんにちは、***さん。

完全に解決した訳ではないのですが、経過だけでもご報告しておきます。

「ごうのとら」ですが、私の亡くなった祖母(明治35生)も「私はごうの
とらの生まれだから」などと言っていました。明治35年ですと壬寅ですね。

私も「気の強い女なのよ」くらいのことだろうと聞き流しておりまして、
具体的な「ごうのとら」の条件は残念ながら聞いておりませんでした。
ちなみに私のもう一人の祖母(存命中)は明治39年の丙午の生まれで、どう
も、うちは女性が強い家系のようです。(私の妹も昭和41年の丙午です)

さて「ごうのとら」について、私も自宅の文献はもとより、近所の図書館
2ヶ所も回って、調べられるだけの文献を調べ、また何人もの人に聞いて
みたのですが、一番多かった意見は「ごおうのとら」のことではないか、
というものでした。

つまり「五黄の寅」です。

これが「ごおう」などという普段聞き慣れないことばを含んでいるので、
いつしか「ごう」に変じてしまったのではないか、そういう意見でした。
この場合「ごう」は漢字としては「強」であろうといった意見も寄せられ
ました。

「五黄」は九星のひとつで、これは九紫・八白・七赤・六白・五黄・四緑・
三碧・二黒・一白と毎年順に付けられているものです。五黄の年と寅の年
が重なるのは、次の年です。

  大正3年・昭和25年・昭和61年

基本的には9と12の最小公倍数で、36年に1度やってきます。

五黄の生まれの人は一般に運気が強いとされますが、寅も強い運気なので
両方が重なると、女性にしては強すぎるのではないか、ということで、
「五黄の寅」という話が出たものと思われます。この「五黄の寅」につい
ては、私が調べた辞典類の中で唯一小学館の「日本国語大辞典」(の第7巻)
に載っていました。

基本的には九星術の用語ですが、現代の九星術でこんな馬鹿なことは言い
ません。丙午と同様、俗説の類だと思います。

「日本国語大辞典」では、文学作品の中の用例で、五黄の申の女を避けた
方がいい、という使われ方をしているものがあることを指摘しています。
もともとは単に「五黄」だけが問題にされていたのかも知れません。

さて「五黄の寅」はこれでいいとして、疑問が残るのは、ともみさんが書
いておられる昭和49年と私の祖母の明治39年です。

ここから先は私の推測なのですが、本来は「五黄の寅」であったものが、
いつの間には意味が分からないまま「強の寅」と間違ってみんなに覚えら
れてしまい、そこから、単純に寅年生まれの女性について、虎は強い動物
だから、ということで「強の寅」というようになってしまったのではないか?

そのため、本来五黄でない、明治39年・昭和49年(いづれも八白です)に
ついても「強の寅」という言われ方をしてしまった例があるのではないだ
ろうか。

一応、これが現段階での推理です。




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