丙午について
質問:丙午(ひのえうま)の年に女の子を産むとよくないと聞いたのですが、
2002年は丙午でしょうか?
回答:−
まず2002年は午(うま)年ではありますが、丙午(ひのえうま)ではなく壬午
(みずのえうま)です。
年の十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)は12年周期で循環しますが、同様
に年の十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)も10年周期で循環しています。そのため
同じ干支(えと)の年は、10と12の最小公倍数で60年に一度巡ってきます。
そのため61歳のことを同じ干支に戻るということで「還暦」と言う訳です。
さて、問題の丙午ですが、明治39年(1906)・昭和41年(1966)が丙午でした。
これらの年にこの「丙午の女の子は良くない」という俗信がはびこり、子供
を産むのを避けた夫婦が多かったため、大幅に出生率が下がるという事態が
起きています。(翌年は逆に跳ね上がる)
しかし、はっきりいってこれはただの俗信であり、まともな占い師なら
99.99%の人が「そんな馬鹿なことはない」といいます。
もし同様のことが次の丙午の2026年にも起きたりしたら、その頃は男女の
生み分けがかなり確実に出来るようになっているでしょうから、男の子ばか
りが産まれるなどという異常事態を引き起こしかねません。このような馬鹿
な俗信はきちんと追放したいものです。
なぜ丙午に女の子が良くないといわれるようになったかについては五行の
立場から説明がされています。
丙(ひのえ)は漢字で書けば「火の兄」で五行の火行に属します。
午(うま)もやはり五行では火行に属しています。十干十二支の五行の配布
は次の通りです。
十二支と五行
十干と五行
木 甲乙
火 丙丁
土 戊己
金 庚辛
水 壬癸
十干と十二支を組み合わせた時、どちらも火行に属すのは実は丙午と丁巳だけ
です。
干五行 |
木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
甲子水 乙丑土 | 丙寅木 丁卯木 | 戊辰土 己巳火 | 庚午火 辛未土 | 壬申金 癸酉金 |
甲戌土 乙亥水 | 丙子水 丁丑土 | 戊寅木 己卯木 | 庚辰土 辛巳火 | 壬午火 癸未土 |
甲申金 乙酉金 | 丙戌土 丁亥水 | 戊子水 己丑土 | 庚寅木 辛卯木 | 壬辰土 癸巳火 |
甲午火 乙未土 | 丙申金 丁酉金 | 戊戌土 己亥水 | 庚子水 辛丑土 | 壬寅木 癸卯木 |
甲辰土 乙巳火 | 丙午火 丁未土 | 戊申金 己酉金 | 庚戌土 辛亥水 | 壬子水 癸丑土 |
甲寅木 乙卯木 | 丙辰土 丁巳火 | 戊午火 己未土 | 庚申金 辛酉金 | 壬戌土 癸亥水 |
しかし、丁巳のほうは丁(ひのと,火の弟)ですから、そんなに強くありません。
つまり丙午というのは60個ある干支の中で、最もエネルギーが盛んな干支である
わけです。
ですから本当は子供を産むのにもとてもいい年なのですが「女の子でそんなに
強いのはよくないのではないか」という話から、それを忌避しようという動き
が出たわけです。
また、八百屋お七が丙午の生まれだったという俗説がありますが、私の研究では
彼女は戊申の生まれです。

(2001.3.8)
(2011.3.26 モバイルフレンドリー改訂 十二支五行は図を作成)
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